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一口に塗料と言っても、種類は様々で各塗料メーカーさんの
研究開発により色々な機能をもった新製品が、次々と市場に出てきます。
ですから、塗装専門業者の私たちでも、日々塗料に関しての勉強は欠かせません。
複雑で高性能高品質になった分、昔のように単純に説明できないのが
最近の塗料なんです。
正直なところ、塗料はメーカーさんが作っているので
詳しい説明は塗料メーカーさんのHPにゆずり
ここでは基本的な事だけを
実際に、現場で使用している職人から見た塗料について
出来るだけ分かりやすく書きます。
目的による塗料の違い
塗料には大きく分けて、下塗り材、中塗り材、
上塗り材の3種類がありそれぞれに目的が異なります。
下塗り材 |
下塗り材には、劣化し弱くなった下地の調整を主とした、 |
中塗り材 | 中塗り材は、言葉の通り下塗りと上塗りの間に塗られるものです。 そのために、1回塗りでは十分な塗膜の厚さを得られないので 2回塗りをする上塗り材の1回目を中塗りと呼ぶ場合や 複層塗材などの様に上塗り材とまったく違う場合があります。 いずれにせよ塗膜の厚みによる 性能の確保や、模様の形成などが目的になります。 |
上塗り材 |
上塗り材は、塗膜の表面になるもので様々なモノが求められます。 |
樹脂による塗料の違い
樹脂とは塗膜を作る主成分のことで、塗料の性能は
この樹脂によって決まるとも言えます。
最近一般的に、上塗り材に使用されているものをグレード順にすると
樹脂の種類 | 耐久性 | 価格 |
ふっ素樹脂塗料 | 高い | 高価 |
シリコン樹脂塗料 | ↑ | ↑ |
ウレタン樹脂塗料 | ↓ | ↓ |
アクリル樹脂塗料 | 低い | 安価 |
このような樹脂には、それぞれ特徴があり例えば、下塗り材等で多く使用されるエポキシ樹脂は、
密着などに非常に優れ手いるのに耐候性に劣り上塗り材に適さない、シリコン樹脂は熱に強いなど
使用する目的や状況に応じた選択が必要なのです。
性質による塗料の違い
ほとんどの塗料は塗装するとき、シンナーや水でうすめて使用します。
以前は水でうすめる塗料よりも、シンナーでうすめる塗料の方が
格段に優れていましたが、最近では変性型が開発されて、
本来強いシンナー(溶剤)を使用しなければならなかった、高耐久な
ふっ素やウレタン樹脂塗料にも水でうすめられる塗料があります。
溶剤型 | 強いシンナーを使用するため、臭いが強く扱いに 注意が必要など問題もあるが、 塗料の性能は一番すぐれている。 |
弱溶剤型 | 塗料用シンナーという、比較的弱いシンナーを使用し 臭いも弱く扱いやすいので、現在多く使用されている。 |
水性反応型 | 水でうすめるため、臭いは少なく環境問題の点からも 注目されている。従来の水性塗料とは異なり 耐久性も高いといわれシリコン樹脂などを 使用したものが、多く開発されている。 |
機能による塗料の違い
最近の塗料は、保護するという耐久性のほかに、さまざまな機能を持っているものがあり、
例えば、防水、防カビ、低汚染などの機能を塗装することによりいろいろな付加価値を、
塗装された物に与えることができます。
弾性塗料 |
塗膜に弾力(やわらかく伸縮する)がある塗料で |
防カビ・ 防藻塗料 |
塗料のなかに、薬剤を配合しカビや藻の発生を抑えるもので 直接カビなどを殺すものでは無いので、塗り替え時に 発生がひどい場合は、別に下処理が必要です。 |
低汚染塗料 | 塗料に特殊セラミック成分を複合化することで、 静電気を抑え排気ガスや粉塵による汚れが付きにくくし また付着しても親水性なため、除去しやすい。 |
硬化の仕方による違い
塗料は、ご存知だと思いますが塗装されるまでは
液体で缶などに入っています。
この液体である塗料が、塗膜という固体に硬化するのですが
これにも種類があります。
一液型 | 塗装することにより、空気に触れて硬化するもので、溶剤が蒸発して 乾燥硬化する物や、湿気と反応して硬化する物などがあります。 |
二液型 | 主剤と硬化剤に分かれていて、塗装する時に決められた比率で 混合することによって反応して硬化するものです。 |
以上がわたしたち、直接現場で塗料を使い塗装している職人からの
本当に簡単な塗料についての説明ですが少しはお解かり頂けたでしょうか。
塗料は、塗装して初めて、その能力を発揮します。
どんなに高くていい材料を使っても、使う職人に腕と知識と気持ちがなければ
能力が半減することもあります。
いい塗料を使えば間違いないということは
絶対にありませんので、くれぐれもご注意ください。
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